2018年03月13日

治療と就労の両立に役立つガイドブックいくつか紹介

ついに完成o(^o^)o
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「健康管理と職業生活の両立ワークブック 難病編」
平成29年度厚生労働行政推進調査事業費補助金(難治性疾患等政策研究事業)「難病患者の地域支援体制に関する研究」班により制作されました。

↑噛まずに言えたらすごい・・・(^_^;)

コミュニケーションのコツというコラムを担当しました。
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このワークブック、難病編ですが、どんな病気、怪我の方にも使えます!!

必要な情報がこの1冊にとてもわかりやすくまとまっていると思います。
自分を理解すること、伝え方、復職や就職の準備などコミュニケーション的なことから、
ハローワーク等行政の支援機関や助成金等制度のこと、患者会などの民間の支援機関の説明も。

難病情報センターのサイトからダウンロードできます→難病情報センター


このほか、厚労省や労働者健康安全機構が作成したものや、ドクターが作ったものもありますので、一気にご紹介します。

こちらは厚労省から出ている「事業場における治療と職業生活の両立支援のためのガイドライン」
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事業主さんや会社の人事の方向けに作られたものですが、私は労働者からの相談にも使って解決しています。
会社が治療と就労の両立について不慣れなために、復職に消極的なことはよくあります。
その場合にこのガイドラインについている様式例を使うことをお勧めしてスムーズに復職できた例もあります。

様式集の一部
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厚生労働省のサイトからダウンロードできます→厚生労働省

私も作成委員として参加しました。医師や看護師、保健師など医療業界の方、企業の人事、労働組合、経団連、そしてわたくし社会保険労務士など様々な立場の方が熱い議論を重ねながらできあがった熱意のこもった1冊です。作成するために全国の企業にインタビューをし、企業が従業員の復職、治療と就労の両立をさせるために何を必要としているか考えましたので、人事の方は是非お手元に置いていただきたいです。



こちらは労働者健康安全機構から出ている「治療と就労の両立支援マニュアル」
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写真はメンタル版ですが、がん、糖尿病、脳卒中、メンタルの4分野に分冊になっています。
ドクターが作成したものなのでさすが専門的ぴかぴか(新しい)と思う部分がありますが、一般人の私なんかはその病気のことがよくわかるので、正しい知識を身につけるのにとても良いと思いました。

労働者健康安全機構は労災病院を実施運営している機関なので、勤労者医療、つまり働く人の医療なので働きながら治療をする、逆の言い方だと治療しながら働くことを第一に考えている機関です。

このマニュアルは医療関係者向けのものですが、人事や労働者本人にも医療の正しい知識がコンパクトにまとめられていてとても役立つものですから、4冊とも会社に置いておきたいです。

私も委員として参加しましたが、こちらは厚労省とはまた違った雰囲気で、(ノ゚ο゚)ノ オオォォォ-医療関係者の視点はそこかーと、立場によって視点が異なることを知ったよい機会でした。ですから、医療関係者がどんな情報を必要としているかがこのマニュアルからわかり、人事としては主治医やリハビリ担当医とスムーズにやりとりができると思います

労働者健康安全機構のサイトからダウンロードできます→労働者健康安全機構


そしてこちらは「就労と糖尿病治 療両立支援手帳」
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中部ろうさい病院のドクターが企画、編集されたものです。
糖尿病は「不摂生しているお前が悪い」と自己責任論で片付けられやすく職場の理解が最も得られにくい病気の一つです。そして、治療をやめてしまう人がとても多いそう。
治療をやめると死にます。
そこで、この手帳で、本人、主治医、人事との交換日記をして治療も仕事もしやすくするというものです。

今のところダウンロードはできませんが、私が個人的に送っていただいたものを何部か持っていますので、須田事務所までお問い合わせください。

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昨日の話ともかぶってしまいますが、治療しながら働くことがごく当たり前のことになればいいなと思っています。治療しながらでも働け!と言っているのではなく、働きたい人が普通に働けるようになればいいんです。


今までは、企業⇔医療関係者⇔本人の3者の連携がスムーズではありませんでした。
特にここ 企業⇔医療関係者
だって、守秘義務とかプライバシーとかあって簡単には聞けない世の中でしょ。
それが壁を作ってしまっているのと、お互いに「医師なんて気軽に声をかけちゃいけない人」「企業の人事なんて医療側から声をかけられない」と思っていたから・・・
でも私はこれらの委員に入れてもらったおかげで、壁がなくなりましたわーい(嬉しい顔)
お互いにざっくばらんに話せるイベントをもっとやりたいなと思います。

そして、治療中の方、人事の方、社労士へ。
このワークブックやガイドブック、どんどん使ってください!!




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2018年03月12日

埼玉IBD「一緒に就労についてを学ぼう会」行ってきました

昨日は埼玉IBDさん主催の「一緒に就労についてを学ぼう会」に参加しました(こちら
「社会保険労務士を囲んで、障害年金等々の制度を始め多くの勉強を行います」ということでしたが、私もたくさん勉強になりました。

↑この社会保険労務士を囲んで〜の社会保険労務士が私です。

ここ数年は就労支援の活動が増えてきたのですが、社労士受験当時はもちろん10年前に開業した頃も自分が就労支援に携わることは全く予想していなく。

というかその頃は病気の治療をしながら働くということが普通じゃなかったんで。



ところで・・・

私の経歴に就労支援にすごく役立つものがあるかというとそういうこともないんです。
転職が多いからいろいろな業界を知っているということくらいかな・・・
病気もあまりしていない健康体なので、自分が治療と就労の両立で困ったこともないんです。
治療と就労の両立に関するご相談は社長さんからも労働者からも受けていますので事例はあるけど。


この活動をしているのは、ただただご縁ですm(_ _)m


ここでまず言いたいのは、これから開業する方や開業したばかりの方へ。

自分がどの方向に進むかは人との縁が99%です!!

1%の「これやりたい」と99%の人との縁です

「これやりたい」も、きっかけはたまたま出会っただと思う。

この活動のきっかけを作ってくださった方にはお礼を言っていないので、この場をお借りして、「ありがとうハートたち(複数ハート)



さて、昨日の「一緒に就労についてを学ぼう会」はセミナー講師という立場ではなく、円卓で雑談まじりに意見交換やぶっちゃけトーク。
こういうのがいいよねわーい(嬉しい顔)
演壇からだと会話ができないし、質問もしにくいよね。


何度か就労支援の勉強会やイベントで、患者会の方や医療関係者の方とお話するのですが毎回思うのが、

お互いに相手がどのくらい知っているのかわかっていない

例えば医療関係者の方に医療用語で話されてもこちらはチンプンカンプンで・・・ふらふら
医療用語どころか最初は「エビデンス(←お医者さんよく使いますね)」って言われてもわからなくてスマホで調べたわ(^_^;)

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あ、これはエビデス・・・

逆に、私が「傷病手当金の退職後の受給なんですが」と説明した時も、
終わったあとに「傷病手当金って聞いたことはあるんですが、何なのかわからないのでその説明からしてほしかった」と医療関係者の方から言われたこともありますし。


だから、お互いにそれ知りませんって恥ずかしくなく言えるようなイベントからやったほうがいいexclamation


それに、こういうことを知りたいんだろうなと思って話したら、実はそこじゃなくてあっちを知りたかったとかあるじゃん。

だからいろんな立場の人がごちゃまぜのミーティングとかもっとやったほうがいいね。


誰がどんな情報を知りたいのかからやったほうがいい。


で、何を目指しているかというと、

治療中でも難病でも「あ、そうなの、治療中なの」「あ、難病、そう」くらい普通に働いているようにしたいなと思います(^-^)

昔は子供がいて働くの!普通じゃないわ。だったけど、今は普通じゃん。そんな感じで。


今はまだ、「え!ガン!死ぬの!どうする!会社辞める?」とか「難病、それはどう接したらいいんですか」と社長さんパニックになるみたいね(ーー;)


確かに私も最初そうでしたから無理もない。
難病の人が周りにいないんだもん。
だから、治療中の人や難病の人と接する機会を作ったほうがいいな〜と思う。
私が代表をやっているNPO法人労働者を守る会でも、こんな勉強会をやりました→「知っておきたい難病患者の困りごと〜難病当事者が語る〜」
お話してくださった浅川さんも難病患者ですけど、めっちゃ普通にお仕事も生活もされています。


普通なのに、マスコミがすっごい感動秘話みたいな報道をするのも距離感ができてしまう要因の一つだとも思うのよね〜。視聴率大事だと思うけどさ。


最後に、やはり何かを始めたり続けるのは人とのつながりだと思いますので、今回出会った方とは一緒に何かできたらいいなあと思います。じゃなくて、やっていきます手(グー)




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2017年03月21日

がん患者と社会保険労務士の対談

3月22日(水)14時より神奈川県大和市にて「がん患者と社会保険労務士の対談」を行います。

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当日お申し込みも可能かもしれないので、お時間ある方は是非お越し下さい。
お問い合わせはこちらから ※神奈川産業保健総合支援センターのサイトにリンクしています

内容は、私須田と幼稚園バスの運転手さんの夏戸さんとの対談です。
普通のセミナー形式のように一方的に講師が話すのではなく、徹子の部屋をイメージしていただければと思います(須田徹子?)。
当事者のぶっちゃけトークを聞ける機会もなかなかないですから是非ハートたち(複数ハート)

夏戸さんのご紹介はこちら ※朝日新聞デジタルにリンクしています

このセミナーの打ち合わせを先日、葉山でしてきました。
買ったばかりのバイクで葉山まで飛ばしたら気持ちよかったですわーい(嬉しい顔)
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打ち合わせでもいいお話が聞けました。
ちょっとネタバレ・・・

もちろん、その人その人によって感じ方や考えは違いますが、

職場が配慮しすぎると、

自分の居場所はないのかな

と思ってしまうことも(´;ω;`)

職場が良かれと思って配慮しても、例えば、体を気遣って配置転換をしても、それが本人が望むことでなければかえって不安になることもあるんです(´;ω;`)

短時間勤務を本人が希望していないのに勧めたら、

私は要らない人?

と思ってしまうことも・・・

復職マニュアルに書いてあるからといって、そのとおりにやらなければならないということもないし、

結局は本人との話し合いが必要

なので、コミュニケーションが大事なんです。

じゃあそれをどうすればいい?

というお話もしたいなと思っていますわーい(嬉しい顔)

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posted by 須田美貴 at 16:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 治療と就労

2016年12月03日

短所は長所

息子が「人権に関する標語」の宿題をもって帰ってきました。小学校1年生でも難しいことやるのね〜。
ちょうど私は明後日締切の原稿で「障害者差別解消法と職場の義務」について書いていて、タイムリ〜。

原稿は徹夜で書き終わったわよ(^-^)v

締め切りは必ず間に合わせる良い子です(^-^)v

私の膝の上で一緒にパソコンに向かっていたマロさんもいつの間にか寝袋で寝ております(-_-)゜zzz…
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平成28年4月1日に改正障害者差別解消法(正式名称:障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律)が施行されまして、それについて書いていたんだけど、障害や病気を理由に差別されたという相談も今年は3件くらいあったので、個人的に思うところもいろいろありました。


・・・で、言いたいのは、


共生と合理的配慮


と言うと難しそうなんだけど、こういうことよ。


病気や障害者だから優遇するとか特別扱いするのではなく、「お互い様」の配慮をしましょう(^-^)共に生きているんだから。


今までは「病気や障害があるから働けない、これくらいの仕事しかできない」そんな先入観によって不利益な扱いをされることがあって、でもその不利益の原因は個人の障害にあると考えられてきたのよね。


でも、


障害に配慮しない社会のしくみが障害そのものでしょうよー

↑うんうん、そのとおり(>_<)


ってことで整備された法律なのよわーい(嬉しい顔)


だから、企業やお店や行政機関などには合理的配慮を課したわけ。


でも、「配慮」が「特別扱い」だと思われて、

不公平だーヽ(`Д´)ノ

ってことになるから、同僚の理解は必要ね。



あー、前置きがだいぶ長くなっちゃいました(^_^;)




長所は短所


職場ってさ、できないことを克服しろって言うじゃない。
もちろん必要なんだけど、できることに目を向ける思考が、共生には大事だと思うのよね。


好事例として、こんなのがあるの。


挨拶や会話などのコミュニケーションが苦手で社内でも取引先でもトラブルを起こしていたけれど、文章能力は非常に秀でている社員がいたらしい。同僚の理解も必要なので、本人と上司から障害についての説明をした上で、会話は極力避けられる環境で社内の文書作成に集中したところ、とてもスピーディーに業務をこなし、なくてはならない存在になったそうです。本人も、会話というストレスから解放されて良かったと思います手(チョキ)


会話が苦手という短所⇒黙々と文書作成ができる長所


また、発達障害で数字や時間など決められたことを守るのが苦手なことによりミスを繰り返していた社員を、パンフレットやホームページのデザインの業務に転換したところ、自由な発想で非常に素晴らしい作品ができあがったという事例もあります。


数字や時間などの決まりを守れないという短所⇒自由な発想のデザイン能力


優しい職場にしたいよねハートたち(複数ハート)


「家庭内でも優しくしてくれ」というツッコミ2名から(^^;

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2016年11月08日

『難病患者の教科書』〜労働問題と似ているぞ

本、いただきました。
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一昨日の全国難病センター研究会に参加されていた、この本の著者の浅川透さんから。
本はこちらからご購入くださいませわーい(嬉しい顔)

浅川透さん、ご自身も多発性硬化症という難病を患い、悩んだり苦しんだ結果、今は難病患者専門のライフサポーターをされています。(浅川さんのHP

解雇や職場のいじめなどの労働問題を経験した結果、そういう人をサポートしようと思った私と似てるかも(。-∀-)

私は労働問題の世界にいるので、どうしても自分の業務と置き換えて読んでしまうんだけど、難病患者の方に向けて書かれた本なのに、意外にも労働相談者に向けて私が伝えたいこととかなり似ているなあと思いました。

ですから、難病患者の方、労働問題で困っている方、どちらにも共通する書き方でご紹介しますね。
印象に残った言葉をいくつか。

誰でも落ち込む可能性はあります

難病の宣告を受け(解雇の宣告を受け)たら誰でも落ち込むでしょう。
私ですら解雇されたときは落ち込んだからな(●`ω´●)
悩んでどうしていいかわからなくなる。

「そんなときは、悩みや困っていることを書き出してみたら?」
悩みが整理されたり解決策が見つかって不安が解消されるかもよ(^-^)

うんうん、私も相談者にそう言っているわ(´∀`)こちらが書いて整理したりね



誤解しない

本やインターネットで情報を集めるでしょう。
そこに書かれていることをそのまま自分に当てはめて「絶対にこうなるのだ」と思ってしまう方が、難病患者でも労働相談者でもいらっしゃいます。

ネットや本の情報は、一般論であったり、一例であったりするので、ピッタリあなたにも当てはまるというわけではないんです(´・_・`)



自分でも理解する必要があります

相談する際も、自分の置かれた状況を理解してから相談したほうが相手にも伝わりやすいです。
そのためには、何箇所からか情報を得る必要もあるでしょう。
そして、自分の目的を達成できる専門家や機関に相談することです。



その他、障害年金請求代理社労士を選ぶときの注意点などはかなり頷けましたね(^_^;)
治療も、労働問題解決も、年金請求も、どの専門家でもいいというわけではないんですexclamation×2
その分野に強くて信頼できる専門家を選ばないと、うまくいかないどころか、周辺の関係者とも関わりにくくなってしまうという結果に・・・(´;ω;`)


公的機関や補助金の紹介など、とても助かる情報もあり、何より、経験者が書いているだけあって、上から目線ではなく寄り添ったあたたかさ、どんな情報が必要かよくわかっていらっしゃるので、無駄な情報がない!!

難病患者ご自身はもちろん、ご家族や支援者にもおすすめしたいですわーい(嬉しい顔)

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