私も当然、あの日あの時何をしていたか、無理に思い出そうとしなくても蘇ってきてしまった。
そうは言っても、東京にいたので、被災された方々に比べれば全然大したことはない。
それでもあの日のあの映像は目に焼きついて離れないのだから、目の前で津波にのみ込まれていく人たちを見た人々の精神的ショックは計り知れない。
そう、あの日はボランティアで近所のお年寄りの家事を手伝っていた。
掃除が終わって帰ってきたところで大きな揺れがあり、すぐにそのお年寄りの家に電話をした。
足腰が少し不自由なので心配だったが、幸い落下物などもなく無事だった。
週1回家事手伝いに行っていろんな話をしてもらっていたが、あの日の翌週の話は忘れられない。
戦争を体験している彼女から、私は人生で初めて生で戦争体験を聞いた。
「東京大空襲と同じだ。私も3月の冷たい川に飛び込んだ」
そうだ、3月10日は東京大空襲の日だった。
15分ほど話してくれたその空襲の体験談があまりに生々しくショッキングで、私の3月11日というのは、空襲の話もセットの記憶になっている。
辛い経験を語ってくれた感謝の気持ち、平和に暮らしている感謝の気持ち、悲惨な出来事は伝えなきゃいけない、経験者と同じように伝えられるだろうか、そこから何を学んで何を残していくのか・・・
うまく文章にはできない、震災と戦争に関していろいろな気持ちが入り混じるこの日だった。
きっと今日からまた普通の日が続いていくのだろうけど。
普通の日が続く幸せ。

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