札幌から北斗星に乗って、隣は知らないおじいちゃんだったの。
うちの子はみかんをもらったりジュースを買ってもらったりして「おじいちゃん、おじいちゃん」ってなついて楽しそうにしてたけど、私は挨拶くらいしか言葉は交わさなかったな。
そのおじいちゃん、朝4時くらいから下のベッドのおじちゃんと話し始めるから私、目が覚めてしまった

話を聞いていたら、釧路の人らしい。
下車する福島駅には6時前に着くから、早めに起きたとか(早すぎるよっ

「福島でゲンセンの仕事してんだ。年末年始だから釧路帰ってた」
???
源泉徴収の仕事?
よく聞いていたら、ゲンセン=原発の除染 だった。
おじいちゃんになついていたうちの子は福島駅で「バイバーイ」って手を振って別れを惜しんでいた。
おじいちゃんは「バイバイ。もう会うこともねえだろうけどな」って言って降りていった。
なんか忘れられないんだよね、このおじいちゃんのことが。